TEXT つれないコイビト「毎日毎日、彼氏がしつこくってさあ」そんな会話がふと耳に入ったのは休憩がてらのカフェの席。さわさわした喧騒の中でその言葉が耳に入ったのがなぜなのか、考える前に会話の続きが聞こえてくる。「体目当てなのかって思っちゃうよね~」「好きだからしたい… 短いメモ走馬灯の百分の一はそんな、どうでもいいことだった。あとの九十九は、ただただユキのことばかりで、突き飛ばした先で呆然とこちらを見ている瞳にあの日の幻影を見た。世界が止まったみたいな錯覚と、遠くで鳴り響く何かが潰れる音が世界の全てになる。オレの…