短いメモ

走馬灯の百分の一はそんな、どうでもいいことだった。

あとの九十九は、ただただユキのことばかりで、突き飛ばした先で呆然とこちらを見ている瞳にあの日の幻影を見た。

世界が止まったみたいな錯覚と、遠くで鳴り響く何かが潰れる音が世界の全てになる。

オレの視界は最期までユキを捉えていて、ああよかった、最期までその姿を見ていられて。

でも遺していくのは心配だな、きっときみは、

 

――ここで、意識は途切れている